トゥルースピン
はてさて、気がつくと丸々半年ほどブランクを開けてしまったなっしーのコラムですが、再開一発目のここでは、よく質問されることにスポットを当ててみたいと思います。ホームページの動画を見ていただいた方に聞かれることは『540大蛇』や『ワンフットスピン』、『なっしースペシャル』などのスピン部分が多いのですが、それらのスピンは全て『トゥルースピン』が源です。この名称が一般的に通用するのかどうかは全く分かりませんが、スピンする時の先行足をトゥ立てて、普段よりも小さな径で旋回することをそう呼んでいます。
通常360スピンは、フロントスネークをベースにして途中で軸をつくり、荷重の移動を使って旋回するようにしていますが、トゥルースピンは始動時の姿勢がオープンターンのスタイルに近いです。そしてオープンターンに入ると同時くらいのタイミングで先行足をトゥにして、そこをコンパスの針にするような感覚でコンパクトに旋回します。この方法だと、接地しているウィールが後行足とトゥだけで少なく、その分抵抗が小さくなるので、ある程度高速で滑っていてもパワーを殺さずにスピンが出来ます。私はこのトリックには随分お世話になっていて、スラローム時の主戦力でもあります。
やってみるとなかなか言うことを聞かないところもありますが、私はこんなところに気をつけて実践しています。まず、「トゥにした足には乗らない」ということです。コンパスの軸にするくせに荷重しないのは、なんだか矛盾しているようなのですが、実際には後行足にほぼ100%乗って旋回しています。始めにワンフットスピンの原型だと書きましたが、トゥルースピンのトゥ足を上げればそれになるのです。そして、足を上げるためには荷重しないことがポイントになるのです。
次に、やはりトゥにした足についてなのですが、「浮いているかかとをアウト側に倒しこむ」ことを意識しています。ただかかとを浮かすだけでは、体が旋回しようとしてくれません。回りたい方向に、船の舵を取るように思い切り倒しこんでいきます。不知火で後ろに足を引いたとき、最もアウトエッジになっている足の形をイメージしてください。あのアウト加減で、そのままかかとを浮かせるくらいの形を取ると上手くいきます。
「足をアウト側に思い切り倒していく」のに、「トゥ足には荷重しない」と言うと、やはり矛盾しているように感じますが、一瞬の方向付けとして行っているというと伝わるでしょうか。時間にしてはコンマ数秒くらい瞬間的に、グッとかかとを倒しこんですぐに力を抜くようにしています。
最後に、これは他のスピンでも同様ですが、「顔が最も早く行きたい方向を向く」ことです。特にトゥルースピンの体勢では、進行方向に向かってしっかりと首振り動作を入れないと、思いもしない方向へ足が流れてしまいます。コツとしては、上から順に先行動作を行っているということです。足がオープンターンの体勢になった時には、すでに先行足をトゥ立てている。トゥにした時には荷重を後足側に切り替えている。そして旋回しかけた時には上半身がすでに振り向き終わろうとしている、という感じです。抵抗が少ないため、方向付けをしっかりと行わないと「スピンが暴走」して、いつまでも回ろうとしてしまいます。
練習する時のコツとしてもう一つ、「コース取り」を付け加えておきます。スタンスが狭いスピンのため、パイロンを巻くことは考えずに、パイロンを避けるような軌跡を通るようにすると良いと思います。通常のオープンターンでパイロンを一つ超えていくような軌道であれば上手くいくでしょう。
そして欲が出てきたら「720スピン」「パイロンを巻きながらスピン」など、是非工夫してみて下さい。苦労し甲斐のあるトリックですし、そこまで愛着を持ってトリックを育てていくのも楽しいものですよ。